「求職者支援訓練 条件 厳しい」で検索して、諦めかけていませんか。
厳しいと言われているのは、給付金(月10万円)の「支給要件」です。訓練そのものを受けるための条件は、それとは別の話です。
給付金がもらえなくても、訓練は無料で受けられます。
私は54歳のとき、この給付金を受けずに求職者支援訓練を受けました。代わりに、雇用保険の失業手当をもらいながら通いました。母の介護をしながら、夜から深夜だけで、約490時間を修了しています。
この記事では、次の3つをお伝えします。
- 「厳しい条件」の正体(どれが給付金の話で、どれが受講の話か)
- 失業手当をもらいながら受けられる、2022年7月からの仕組み
- 選考と中身は実際どうだったか(もともと勉強が苦手な人間の話です)
⚠ 先に正直に書いておきます。私は給付金(月10万円)を受け取っていません。
だから「給付金の審査がどれだけ厳しいか」は体験として語れません。その部分は厚生労働省の公式情報を示すだけにとどめます。
求職者支援訓練とは
求職者支援訓練とは、再就職・転職・スキルアップを目指す人が、無料で受けられる公的な職業訓練です。厚生労働省の「求職者支援制度」の一部として実施されています。
訓練期間は2か月から6か月。コースはビジネスパソコン、WEBデザイナー、医療事務、介護など幅広くあります。受講料は無料で、テキスト代などは自己負担です。
この制度には、生活を支えるための職業訓練受講給付金(月10万円)という仕組みがセットで用意されています。「条件が厳しい」という評判は、ほぼこの給付金の話です。
「厳しい条件」の正体は、2つが混ざっていること
検索して出てくる記事の多くは、給付金の条件だけを説明しています。それを読むと「自分は無理だ」と感じます。
でも、訓練を受けることと、給付金をもらうことは、別の手続きです。
厚生労働省も公式サイトにはっきり書いています。
給付金の支給要件を満たさない場合であっても、無料の職業訓練を受講できます
つまり、給付金がもらえなくても、訓練は受けられます。
訓練を受けるための条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 求職の申込み | ハローワークに求職の申込みをしていること |
| 雇用保険 | 原則として、雇用保険の被保険者や受給資格者でないこと(★例外があります。次の章で説明します) |
| 意思と能力 | 働く意思と能力があること |
| ハローワークの判断 | 職業訓練などの支援が必要とハローワークが認めたこと |
| 選考 | 訓練実施機関の選考に合格すること(★定員があります) |
| 費用 | 無料(テキスト代などは自己負担) |
⚠ 条件を満たせば必ず受けられる、というものではありません。定員があり、選考があります。
私のときは競争率が約2倍でした。選考については後の章で詳しく書きます。
給付金(月10万円)をもらうための条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本人の収入 | 月8万円以下 |
| 世帯の収入 | 月30万円以下 |
| 世帯の金融資産 | 300万円以下 |
| 不動産 | 住んでいるところ以外に土地・建物を持っていない |
| 出席 | 訓練実施日すべてに出席(やむを得ない理由で証明できる場合でも8割以上) |
| 世帯の重複 | 世帯内に同時受給者がいない |
| 過去の受給 | 過去6年以内にこの給付金を受けていない |
| 不正受給 | 過去3年以内に不正受給をしていない |
見比べると分かります。厳しいのは下の表です。
「世帯収入が月30万円以下」は、配偶者に収入があると届きません。「金融資産300万円以下」も、貯金がある人は外れます。
でも、下の表を満たさなくても、上の表さえ満たせば訓練は無料で受けられます。
⚠ 給付金の金額要件は改定されることがあります。この記事は2026年10月時点の厚生労働省の公式ページに基づいています。申し込む前に、必ずハローワークで最新の条件を確認してください。
失業手当をもらいながら受けられます(2022年7月から)
ここが、いま出回っている記事のほとんどに載っていない部分です。
上の表に「雇用保険の受給資格者でないこと」と書きました。これだけ読むと、失業手当をもらっている人は求職者支援訓練を受けられないように見えます。
しかし、令和4年(2022年)7月1日から仕組みが変わりました。
厚生労働省の労働局が出している案内には、こう書かれています。
令和4年7月1日から、雇用保険の受給資格者に対して公共職業安定所長が受講を指示する公共職業訓練等の対象に「求職者支援訓練」が追加されます。
(埼玉労働局・ハローワーク)
つまり、雇用保険をもらっている人でも、ハローワークから「受講指示」を受ければ、求職者支援訓練を受けられるようになりました。
整理すると、こうなります。
| 区分 | 取り扱い |
|---|---|
| 原則 | 雇用保険の受給資格者は、求職者支援訓練の対象外 |
| 例外 | ハローワークから「受講指示」を受ければ、受講できる(令和4年7月1日〜) |
⚠ 分かれ目は「受講指示」があるかどうかです。ここを見落とすと、
「雇用保険をもらっているから絶対に受けられない」と誤解してしまいます。
⚠ なお厚生労働省の「求職者支援制度のご案内」のページには、現在も原則だけが書かれており、
この例外は載っていません。窓口で必ず確認してください。
しかも、それだけではありません。
訓練延長給付という仕組み
受講指示を受けて訓練を始めると、次の2つが受けられます。
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| 訓練延長給付 | 訓練が終わるまでの間、所定の給付日数を超えても基本手当(失業手当)が支給される |
| 技能習得手当 | 受講手当(日額500円・40日まで)と通所手当(月額上限42,500円) |
私に起きたのは、これです。
私の失業手当は、3か月で終わる予定でした。「その後どうしよう」と思っていたところで訓練を受けることになり、給付が訓練の終わりまで続きました。
当時は制度の名前も知りませんでした。今回この記事を書くために調べて、「訓練延長給付」というものだったと分かりました。
「失業手当が切れそうだから、もう動けない」と思っている方がいたら、ハローワークで職業訓練の相談をしてみてください。 順番が逆になるかもしれません。
⚠ 受講指示を受けるには、「その訓練を受けることが再就職のために必要だ」とハローワークが判断するなど、いくつか要件があります。誰でも自動的に受けられるものではありません。必ず窓口で確認してください。
選考は厳しい? うまく話せなくても受かりました
無料とはいえ、定員があるので選考があります。私のときは競争率が約2倍でした。書類審査とオンライン面接(Zoom)です。
正直に言います。面接はうまくできませんでした。 手応えはまったくありませんでした。
それでも合格しました。
実際に聞かれたこと
覚えているのは2つだけです。
- 志望動機
- パソコンのフォルダをどんなふうに使っているか
それ以外は思い出せません。裏を返せば、思い出せないくらい普通の面接だったということです。特殊な質問や圧迫のようなものはありませんでした。
準備したこと
| やったこと | 理由 |
|---|---|
| Zoomの接続練習と確認 | 当日つながらないと話にならないため |
| スーツにネクタイ | オンラインでも服装は整えた |
| スプレッドシートとスライドを触ってみた | まったく未経験のまま行くのが不安だったため |
準備はこれだけです。資格も取っていませんし、事前学習もしていません。
何を見られていたのか(ここから先は私の推測です)
合格した理由は、正直なところ分かりません。ハローワークや訓練校の公式見解でもありません。私の推測として読んでください。
まず、パソコンがバリバリできる必要はないと思います。私自身、たいしたスキルはありませんでした。
ただ、オンライン受講なので、授業を受ける・課題を提出するといった「基本の基本」ができるかは見られていた気がします。フォルダの使い方を聞かれたのは、そこを確かめたかったのかもしれません。
もう一つ。この制度は就職するためのものです。だから「訓練を受けたあと、この人は就職できそうか」を、いろいろな角度から見られていたのだと思います。
訓練で使うパソコンの操作は、訓練の最初やテキストでちゃんと習得できます。入る前にできている必要はありません。
中身は厳しい? 勉強が苦手な私でも大丈夫でした
ここが、いちばん伝えたいところです。
私はもともと勉強が苦手です。学生時代は授業も苦手で、宿題は特に苦手でした。手をつけること自体が困難だった、というレベルです。会社で受けるように言われた資格試験も、勉強しませんでした。
だらしないのかもしれません。でも今になって思うのは、興味がないものは行動できなかっただけなのかもしれない、ということです。
その私が、約490時間の訓練を最後まで終えました。
きつかった科目はありませんでした
訓練には習得度を確認するテストがあり、3回連続で8割を切ると退校という規定がありました。数字だけ見ると怖いです。
でも実際には、きつくて困った科目はありませんでした。受講内容をきちんと学習すれば大丈夫でした。「もうムリかもしれない」と思った瞬間も、ありませんでした。
これは、私の頭が良かったからではありません。内容に興味を持てたからです。
「この年齢から学んで、自分の頭でついていけるだろうか」と不安な方へ。その不安の正体は、たぶん頭の良し悪しではなく、題材選びです。興味を持てる分野を選べるかどうかのほうが、ずっと大事だと思います。
大変だったこと
嘘は書きません。大変だった時期はありました。
訓練の終盤です。母の容態が悪くなったのと、ちょうど課題の内容とボリュームが増えた時期が重なりました。
それでも、スケジュール的には問題なくこなせました。理由ははっきりしています。オンライン(eラーニング型)で、自由な時間に進められたからです。
日中は母の通院に付き添い、勉強は夜から深夜でした。週におよそ20時間。決まった時間に教室へ行く形だったら、私は続けられなかったと思います。
介護や家庭の事情がある方は、eラーニング型を最初から候補に入れてください。 ここは選び方で結果が変わる部分です。
よくある質問
給付金がもらえなくても受けられますか?
受けられます。厚生労働省も「給付金の支給要件を満たさない場合であっても、無料の職業訓練を受講できます」と明記しています。私自身が、給付金を受けずに受講しました。
失業手当をもらっていても受けられますか?
令和4年7月1日から、ハローワークの受講指示を受ければ受けられるようになりました。私の場合は、失業手当が訓練終了まで延長されました(訓練延長給付)。ただし受講指示には要件があるので、ハローワークで確認してください。
54歳でも受かりますか?
私は54歳で、競争率約2倍の選考に合格しました。年齢だけで落ちることはないと思います。ただし「合格を保証するものではない」ことは書いておきます。
パソコンが苦手でも大丈夫ですか?
私も大丈夫でした。訓練で使う操作は、訓練の最初やテキストで習得できます。ただしオンライン受講の場合、授業を受ける・課題を出すという基本的な操作はできたほうがいいです。不安なら、面接前にスプレッドシートとスライドを一度触ってみてください。私はそれだけでした。
eラーニングと通学、どちらがいいですか?
介護・育児・体調など、時間の制約がある方はeラーニング型をおすすめします。私は介護をしながらだったので、自由な時間に進められるeラーニングでなければ続きませんでした。一方で、一人で進めるのが苦手な方は通学型のほうが向いていると思います。
訓練の途中で辞めたらどうなりますか?
私は最後まで受けたので、体験としては語れません。給付金を受けている場合は出席要件があり、退校の規定もあります。条件は訓練やコースによって違うので、申し込む前にハローワークで確認してください。
まとめ
「求職者支援訓練は条件が厳しい」という言葉は、給付金(月10万円)の条件を指しています。訓練を受けること自体の条件は、それとは別です。
そして2022年7月からは、失業手当をもらいながら受ける道もできました。
私は54歳、介護をしながら、勉強が苦手なまま、約490時間を終えました。特別なことは何もしていません。
ただし——訓練を修了すれば就職できる、という話ではありません。 私はそこで苦労しました。その話は別の記事に書いています。
まず一度、ハローワークで相談してみてください。無料ですし、条件を確かめるだけでも状況は変わります。
出典
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 埼玉労働局・ハローワーク「令和4年7月1日以降、雇用保険の受給資格者が『求職者支援訓練』の受講を開始する場合に、訓練延長給付や技能習得手当等を受給することができるようになります」(PDF)
- 厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり」(PDF)
※制度の内容は改定されることがあります。この記事は2026年10月時点の情報です。最新の条件は必ずハローワークでご確認ください。

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